2022/03/12 15:15

本日も、ご訪問いただきありがとうございます。

初めての方は『初めまして』これからよろしくお願いします。

前回までに下肢の『大腿部』と『下腿部』のお話をしてきましたが
本日は『足部』について、お話していこうと思います。

『足部』は『足関節から遠位(心臓から遠い方)の部分』になります。
この足部は今まで見てきた『大腿部』や『下腿部』と違い、骨の数が極端に多く、合計26個の骨で構成されています。
これらの骨は、踵の骨である『踵骨(ショウコツ)』から足の指先の骨である『末節骨(末節骨)』にかけて
ちょっとずつ骨の数を増やしながら、扇状に並んでいます。

踵から並べていくと
まずは『踵骨』と呼ばれる、踵を触った時にある大きな骨
その踵骨の上に乗って下腿部と関節を作っている『距骨(キョコツ)』

この二つの骨の遠位に
内側に『舟状骨(シュウジョウコツ)』
外側に『立方骨(リッポウコツ)』
そして舟状骨と立方骨にL字型に囲まれる楔状骨(ケツジョウコツ)が3つあり
内側から『内側楔状骨(ナイソクケツジョウコツ)』『中間楔状骨(チュウカンケツジョウコツ)』『外側楔状骨(ガイソクケツジョウコツ)』があります。

更にその遠位に足趾へとつながる『中足骨(チュウソッコツ)』が第一から第五まであります。
この中足骨は「内側楔状骨と第一中足骨」「中間楔状骨と第二中足骨」「外側楔状骨と第三中足骨」
「立方骨と第四中足骨・第五中足骨」が、それぞれ関節を作って繋がっています。

そして第一から第五までの中足骨に、それぞれ足趾の骨が繋がっており
『基節骨(キセツコツ)』『中節骨(チュウセツコツ)』『末節骨(マッセツコツ)』が
第一から第五まであります。
ただし、拇趾の場合は中節骨がなく、基節骨と末節骨だけになります。

これで足部の骨26個は全て出たのですが
おまけのような骨があり、『種子骨』という骨が第一中足骨頭の足裏側に、内側と外側の2つあり
これが硬い靴底の靴を長時間はいたりすると割れて痛みが出ることがあります。

これで足部の骨を全て見てきたのですが、これだけ多いと訳が分からなくなるので
『後足部(コウソクブ)』『中足部(チュウソクブ)』『前足部(ゼンソクブ)』の、3つの塊で分けて考えていくことが多いです。

まず「後足部」ですが、踵骨と距骨の2つの骨をあわせた部分を指します。
次に「中足部」ですが、舟状骨・立方骨・3つの楔状骨の5つを合わせた部分を指します。
最後に「前足部」ですが、5つの中足骨・14個の足趾の指節骨の19個を合わせた部分を指しており
それぞれの部分の位置関係(アライメント)が崩れることによって、足部の本来の機能が果たせなくなってしまいます。
このことによって足部だけでなく、膝や股関節、体幹に不調をきたす場合があり
足部の骨の位置関係(アライメント)を整えることによって、これを解消していくことがあります。
その時に利用されるモノの一つが、インソールになります。

さて、今まで骨を見てきましたが
骨があるということは、それぞれにつながる筋肉や靭帯の軟部組織もあるということです。
これだけの数の骨があるので、それらを繋ぐ軟部組織もたくさんあります。
基本的に足部には靭帯がメインで、足趾を曲げたり伸ばしたりするのは
下腿部にある筋肉から伸びた靭帯が引っ張ることによって動かしています。
更に、土踏まずの部分などを作り上げている筋肉も
下腿部にある筋肉で、そこから伸びた靭帯によって形作られています。
そのため、長時間歩いたりしたときに出る下腿の筋肉痛も
実は土踏まずがつぶれることによって、筋肉が引っ張られて起きていつ場合もあります。
こういったときにインソールで支えることによって、負担を減らすことができます。

このように、一見足部や下腿の問題でも、筋肉や靭帯でつながっており
足部に対してのアプローチで、その他のところに影響を及ぼすことができるのが
面白いところで、人体の不思議を感じることができて、癖になってしまうところです。

さて、本日もたくさんの専門用語が出てきて
頭がパニックになりそうですが、最後にトピックスを
今回出てきた『踵骨』、英語でいうと『calcaneus(キャルケイニアス)』
この英語の語源は『calx』で、「足で踏む」「足で踏まれるもの」に由来するそうです。
この言葉は様々な派生語を生み出しているそうで、
例えば「足で踏まれるもの」→「小石・砂利」→「石灰石」→「チョーク」→「カルシウム」と
象形文字から漢字に至る連想ゲームのように、一つの言葉が変化していき
今使われている言葉が出来上がっているそうです。
こんな解剖学に出てくるような言葉でも
元をたどれば単純なモノで、こんなおやじギャグ的な変化で出来上がってきてると思うと
ちょっと親近感が持てました。

それでは本日はここまで
ご縁を繋いで、またお越しいただけると嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



※この記事は私の個人的な意見が含まれているため
 レポートなどにコピペしないことをお勧めします。