2024/06/07 20:30


ども、義肢装具士の佑吉です。

陽気な日が続いていて、色々出かけたくなってきましたが、足に不調が出ていると、出かけるのもおっくうになってしまいます。そんな足の不調の中の一つで、足の指の’しびれ’があります。その原因のお話をしていこうと思います。

足の不調とは?

足のしびれといえば、正座をした後の足のしびれを思い浮かべる方が多いと思いますが、このしびれは、自分の体重によって脚が押しつぶされることによって血流が悪くなり起こる現象です。そのため、血流が回復してくると、しびれもなくなり、いつも通りの生活を送ることができるようになります。このような一時的なものではなく、慢性的にしびれを感じることがあるときは、要注意です。

慢性的にしびれがある場合、神経に傷がついている可能性があります。この神経には種類があり、大きく分けると中枢神経と末梢神経に分けられます。中枢神経とは、脳や脊髄の事でここが中心になって感覚や運動などの中心的な機能を担っています。そしてここに繋がる、他の全身に及ぶ神経が末梢神経になります。この神経は、傷ついてもある程度したら治るのですが中枢神経は、基本的には傷つくと元に戻りません。また末梢神経でも、あまりに長い間傷ついた状態が続くと元に戻らなくなることがあり、感覚が分からなくなったり動かすことができなくなったりします。
このようなことが足の指(足趾;そくし)で起きてくるのが「モートン病」と呼ばれるものです。

モートン病の対処法

モートン病は女性に多く発生し、男女比は1:10ほどの差があり平均好発年齢は55歳ですが、30代から80代まで幅広い年齢で発症します。他にこの疾患は、前足部の横アーチの状態がとても重要になります。前足部の横アーチとは、5本の足趾の付け根の関節を構成する中足骨頭の部分が靭帯や筋肉の働きによってアーチ状になっている状態を言います。そして、この横アーチが潰れることによって、足趾に繋がる神経が圧迫され、しびれや痛みが出ることを「モートン病」と言います。そのため、なるべく早い段階で、神経の圧迫を少なくしてやる事が、重要になります。もし対処が遅れると、神経の回復が出来なくなってしまい、しびれや痛みが取れなくなってしまう事がありますので、注意が必要です。

靴の選び方と注意点

モートン病は靴も重要で、女性に発症しやすく、因果関係は明確ではありませんが、パンプスやヒールなどの靴も関係があるかもしれません。そのため、足の先を締め付けるような靴は、なるべく履かない様にし、足趾が靴の中で自由に動かせるような靴を選ぶことが、重要です。また、せっかく足先に余裕のある靴を選んでも、靴の中で足が滑って靴の先に当たっていては、足先を狭めて神経を圧迫する要因になってしまいますので、足が靴の中で滑らねいように、足の甲の部分でしっかり止められる、ひも靴などのボリューム調整機能がついた靴を、履いてもらいたいです。更に、せっかくボリューム調整機能がついていても、ゆるゆるで履いていては意味がないので、かかとをトントンし、足のかかとを靴のかかとにしっかり合わせ、ボリュームを調整して、足の甲でしっかり押さえることにより、足が靴の中でずれていかないようにすることが、重要です。この他に、靴底の柔らかすぎる靴の場合、踏み返しの動作をしたとき、足のアーチ構造を崩してしまいやすいため、なるべく靴底の硬い靴を選び、欲を言えば、足先にロッカー機能と呼ばれる、靴の先が上がっていて、足先が転がりやすい靴を選んでもらうと、より足に負担がかかりにくく、オススメです。こういった靴は、スニーカータイプが多く、フォーマルな場面に合わないスタイルも多くあります。そのため、場面場面に応じて靴を選んでいただき、例えば冠婚葬祭の会場では、ヒールなどを履き、会場に行くまでは足にやさしい靴を履く、といった方法をオススメします。

まとめ

足趾のしびれ「モートン病」についてお話しました。
この疾患を簡単に言うと、①末梢神経障害である事、②原因は前足部の横アーチが潰れている事、③早めの対処が重要で、薬物療法とインソールが主な対処になる事があります。自分で出来る対処法のお話や、靴の形や構造、履き方なども影響についてもお話しました。

これらの事を自分で判断したり、行っていくのは、なかなか難しいこともあります。近くに相談できる詳しい方が居られましたら、その方に相談するのがいいと思います。また、日常生活に支障が出るほどの症状が出ている場合は、必ず整形外科を受診し、治療をしてもらってください。

もし、そういった方が周りにいない場合、私で良ければ、お気軽にご連絡ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。これからもご縁を繋いでいただけると嬉しいです。
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ではでは。