2025/01/03 23:10
ども、義肢装具士の佑吉です👣
50代を迎えると、「年齢のせいかな?」と感じる体の不調が増えてきます。特に股関節に痛みを感じることが多くなりますが、これが単なる疲れや年齢によるものだと思っていませんか?実は、股関節の痛みは変形性股関節症という疾患のサインかもしれません。この疾患を放っておくと、日常生活がどんどん不便になり、最終的には歩行が困難になることもあるため、早期の対処が非常に大切です。
変形性股関節症の原因と症状
変形性股関節症は、股関節の関節軟骨が摩耗し、骨同士が擦れ合って痛みを引き起こす病気です。股関節は、骨盤側の「臼蓋(きゅうがい)」というお椀型の部分と、大腿骨の「骨頭」という丸い部分でできています。この二つの骨がかみ合って、股関節はスムーズに動きますが、年齢とともに関節軟骨が摩耗し、隙間が狭くなることで痛みが生じます。さらに、摩耗が進むと、骨が直接擦れ合って激しい痛みを引き起こします。
特に日本人女性は、股関節の臼蓋が浅いため、変形性股関節症を発症しやすいと言われています。症状は、最初は歩き始めに痛みを感じ、しばらく歩くとその痛みが引くことが多いですが、次第に痛みが強くなり、日常生活に支障をきたすことがあります。
脚長差の影響
変形性股関節症では、しばしば脚長差(足の長さが左右で異なる)が生じます。通常、左右の足の長さはほぼ同じですが、股関節が変形すると、足の長さに差が出ることがあります。これが原因で、「墜落歩行」と呼ばれる歩き方をすることがあります。短い脚に体重が偏ってしまい、歩き方が不安定になるため、余計に股関節に負担がかかります。
脚長差が進行すると、股関節だけでなく、膝や腰にも悪影響を及ぼすことがあります。特に膝や腰への負担が増えると、慢性的な痛みや筋肉のこりを引き起こし、さらに動きづらくなることがあります。また、歩行が不安定になるため、転倒のリスクも高まります。
放置せず、早めに対処を
もし股関節に痛みや違和感を感じたら、放置せずに早めに対処することが重要です。痛みが続くと、関節の状態はどんどん悪化していきます。特に1ヶ月以上痛みが続いたり、日常生活に支障が出るようであれば、整形外科を受診し、専門医に相談することをおすすめします。早期に診断を受け、適切な治療を行うことで、症状の進行を防いでいきましょう。
治療法と予防
変形性股関節症の治療は、症状の進行具合や患者さんの状態に応じて異なりますが、まずは薬物療法やリハビリが行われることが一般的です。痛みがひどい場合は、消炎鎮痛剤や関節の潤滑剤の注射などが処方され、炎症を抑え、痛みを和らげることを目指します。また、関節周りの筋肉を鍛える運動療法も重要です。股関節周りの筋肉を強化することで、関節の安定性を高め、負担を減らすことを行っていきます。
もし、脚長差がある場合は、インソールや中敷きを使ってバランスを取ることができます。足元のバランスを整えることで、股関節への負担を減らし、痛みを軽減することが可能です。また、体重管理も大切で、過剰な体重は股関節に負担をかけるため、適切な体重を維持することが、股関節の健康を保つために必要です。
未来のために今すぐケアを
股関節の痛みは、早期の対処が肝心です。「年だから仕方ない」と思わず、痛みがあるなら今すぐ専門家に相談しましょう。痛みを無視して放っておくと、日常生活に支障をきたすだけでなく、痛みが慢性化して治療が難しくなることがあります。痛みを軽減し、動ける体を維持するためには、早期の診断と適切な治療、そして予防が不可欠です。
50代という年代は、これからも活動的に過ごすための大切な時期です。元気に旅行に出かけたり、友人や家族とアクティブに過ごすためには、股関節をしっかりケアすることが必要です。股関節のケアを今から始めることで、もっと自由に動ける体を作り、明るい未来を手に入れましょう。
あなたの股関節、まだ間に合います!
ではでは👣