2025/08/25 05:16
ども、インソール屋で足元リテラシー向上委員会、義肢装具士トレイルランナーの佑吉です👣
前回までの記事で「何もない所でのつまずき」について、前脛骨筋や足の機能に関するお話をしてきました。今回は、その続きとして 足のアーチ構造とインソールの役割 について、少し深掘りしていこうと思います。
足の3つのアーチ構造とは?
人の足には大きく分けて「内側アーチ」「外側アーチ」「横アーチ」という3つのアーチがあります。この3つが立体的に組み合わさることで、足はクッション性と剛性を兼ね備えています。
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衝撃吸収:歩いたり走ったりするときに、地面からの衝撃を和らげる
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推進力の発揮:蹴り出す際のエネルギーを効率的に使う
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バランス保持:立位や動作中の姿勢を安定させる
このアーチ構造が崩れると、クッション性が失われ、足そのものだけでなく、膝や腰、さらには姿勢全体にまで影響が及びます。
「限定的なインソール」の危険性
よくあるのが、「土踏まずだけを持ち上げるインソール」や「外側だけを支えるインソール」。一見するとサポートしてくれそうですが、実はこれが全体のバランスを壊す原因になることもあります。
結果的に、膝や腰に余計な負担をかけたり、体の他の部分に痛みを引き起こしてしまい、病院に通う羽目になった方も少なくありません。私自身、そうして「医師にインソールを破棄された」という方を何人も見てきました。
つまり、足の機能全体を見ずに作られたインソールは逆効果になることがあるのです。
足と全身のつながり
「何もない所でのつまずき」は、つま先を上げる筋肉の衰えと、アーチ構造を支える筋肉の衰えが重なって起こります。だからこそ、足の3つのアーチ構造を支えつつ、筋肉を鍛えていくことが最短の改善方法です。
でも、ここで重要なのは「足だけ」に注目しても不十分だということ。
人の体は本来、全身が連動して機能しているので、膝や腰、重心の位置、姿勢、柔軟性など、あらゆる要素が「つまずき」に関わってきます。そして、その多くが最終的に「足元の状態」と密接につながっているのです。
ヒトの根本的な特徴は「立って歩くこと」
改めて考えてみましょう。人間を人間たらしめている特徴は何でしょうか?
話すこと、手を器用に使うこと、頭脳の発達、火や道具を使うこと…。色々ありますが、一番根本的なことは 「二足で立って歩くこと」 だと思います。
この「立って歩く」という特徴の土台になっているのが 足の構造 です。
だからこそ、足元の崩れは全身の機能低下に直結し、ひいては生活の質や健康寿命にまで大きな影響を及ぼします。
まとめ:転ばぬ先の足元ケア
「何もない所でのつまずき」は、ただの老化ではありません。足のアーチ構造、筋肉、姿勢、全身の連動が崩れたサインです。
だからこそ、日々のトレーニングで前脛骨筋を鍛えつつ、足本来のアライメントを整えるインソールを取り入れることが大切です。インソールは決して魔法の道具ではありませんが、足元を正しく支えることで筋肉の働きを引き出し、全身の健康にまでつながります。
👣 もし最近つまずきが増えたなと感じる方は、「足元」から自分の未来を守る一歩を踏み出してみてください。