2025/08/26 15:27
ども、インソール屋で足元リテラシー向上委員会・義肢装具士トレイルランナーの佑吉です👣
前回までの記事で「何もない所でのつまずき」の原因について、足の筋肉やアーチ構造を中心にお話してきました。今回はさらに視点を広げて、「ヒトの特徴」と「足元の西洋化」 について触れてみたいと思います。
ヒトをヒトたらしめるものは「立って歩くこと」
ヒトの特徴は何でしょうか?
話すこと、手の器用さ、知恵、火を使うこと、お金という概念…。色々思い浮かびますが、一番根本的な特徴は 「二足で立って歩くこと」 だと思います。
この「立って歩くこと」ができるようになったからこそ、両手が自由になり、道具を扱えるようになりました。そのコントロールのために脳も発達し、やがて火を使い、社会や文化を築き、経済やテクノロジーを生み出すに至ったのです。
時間の流れで見てみると、立って歩くようになっておよそ600万年。道具を使うようになって260万年。火の使用が50万年。農業は1万年。産業革命から275年。PCの誕生が約55年。そしてIT革命はたった30年ほど。
この直近50年ほどで、私たちは「立って歩くこと」が一気に減ってしまいました。エスカレーター、車、デスクワーク、スマホ…。便利さの裏で、ヒトの最も根本的な特徴が失われつつあるのです。
足元の西洋化と日本の変化
同じ50年で、日本の足元の文化も大きく変わりました。下駄や草履、わらじといった日本本来の履物から、靴を履く生活へと一気に西洋化が進んだのです。
しかし問題は、靴の構造や履き方、サイズ選び といった大切な部分が軽視されたまま文化が広がってしまったこと。結果として、足に合わない靴を履く人が増え、足の健康が損なわれるようになりました。
一方で、バブル期になると仕事中心の生活から健康被害が目立つようになり、足元の健康が見直され始めました。例えば「下駄と足のアーチ構造の融合」や「青竹踏みと下駄の融合」といった健康履物が開発され、平成初期には義肢装具士など専門家による啓蒙活動も広がり、少しずつ「足と健康」の意識が芽生えてきたのです。
靴と「何もない所でのつまずき」
実は、この「何もない所でのつまずき」と靴の関係はとても大きいです。
なぜなら、靴を履くことで足裏と地面の間には必ず「靴底」が介在するからです。靴底は衝撃を和らげてくれる反面、すり減ったり歪んだりすると、足のアライメント(位置関係)を崩してしまいます。これが、つま先を上げる筋肉やアーチ構造の働きを妨げ、つまずきや姿勢の崩れに直結するのです。
さらに、サイズが合わない靴を履いていると、足の指が使いにくくなり、踏ん張る力やバランス感覚が弱まります。これも「何もない所でのつまずき」を加速させる大きな要因です。
まとめ:足元から未来を変える
ヒトは「立って歩く」ことで進化してきました。しかし現代の生活や足元の西洋化により、その根本的な機能が失われつつあります。
だからこそ今、靴の履き方やサイズ選び、インソールによるサポートといった 足元からの見直し がとても重要です。
「何もない所でのつまずき」は老化ではなく、足元のSOSサイン。
👣 ぜひ一度、自分の靴や足の状態を見直してみてください。それが、未来の健康寿命を守る第一歩になります。