2026/08/26 14:00
「歩き方が悪いから、関節に負担がかかっている」
確かに、そういうこともあります。
でも逆に、
「関節の状態が悪いから、それをかばって歩き方が変わっている」
ということもあります。
“卵が先か、鶏が先か”
身体って、そんなに単純ではありません。
身体は、全部つながっている
姿勢。
関節。
筋肉や靭帯。
歩き方。
身体の動かし方。
重心バランス。
これらは、それぞれが別々に存在しているわけではありません。
全部がグラデーションでつながり、お互いに影響しています。
だから僕は、
「姿勢だけ見ればいい」
「歩き方だけ見ればいい」
「足だけ見ればいい」
というように、一方向から身体を決めつけないことを大切にしています。
姿勢も見る。
歩き方も見る。
身体の動きも見る。
そして、その人が普段どんな生活をしていて、これから何をしたいのかまで考える。
その人全体を見ることが大切だと考えています。
僕が身体を見るときの“芯”は「基本姿勢」
いろいろなところを見る中でも、身体を整えるときの“芯”として大切にしているものがあります。
それが、
「基本姿勢」
です。
姿勢というと、
「背筋を伸ばして、キレイに立つ」
という見た目の話をイメージするかもしれません。
でも、僕は少し違った見方をしています。
人の身体には、たくさんの骨があります。
僕はそれを、
“骨の積み木”
のように考えています。
その骨という積み木を、筋肉や靭帯などがつなぎとめることで、人の「姿かたち」が作られています。
この積み木をどう積み、どう支えているのか。
筋肉や靭帯の緊張バランスはどうなっているのか。
そのバランスが崩れれば、関節への負担のかかり方も変わってきます。
だから、まず基本姿勢を整えていくことを大切にしています。
でも、姿勢を整えることがゴールではない
ここが、とても重要です。
僕は「姿勢だけ整えればいい」と考えているわけではありません。
基本姿勢を整えた身体で、
立つ。
歩く。
動く。
そして、実際に動いたときの身体をまた見る。
歩き方がおかしいから、身体に負担がかかっていることもあります。
反対に、関節や身体の状態が変わっているから、歩き方が変わっていることもあります。
どちらか一方だけではありません。
だからこそ、姿勢も歩行も動きも見る。
そして必要に応じて、整えることと身体を動かすこと、鍛えることを組み合わせていく。
すべてはつながっています。
ヒトは、動物である
僕が身体を見るときに大切にしている、もう一つの考え方があります。
それは、
「ヒトは動物である」
という、ものすごく当たり前のことです。
ヒトは成長していく中で、まず立てるようになり、そして歩けるようになります。
立って、歩いて、動く。
それがヒトという動物が持っている、大切な機能の一つです。
だから僕が目指しているのは、単に「姿勢をキレイにすること」でも、「歩き方をキレイにすること」でもありません。
できるだけ長く、自分の足で立ち、歩き、動き続けられる身体をつくること。
そこを大切にしています。
インソールも、そのための一つの道具
僕は義肢装具士として、インソールを作っています。
でも、
「インソールを売ること」
そのものが目的ではありません。
インソールは、あし元から身体を整えるために使える一つの道具です。
その人の姿勢を見る。
歩き方を見る。
身体の動きを見る。
履いている靴を見る。
過去のケガや今の生活、これからやりたいことも考える。
そのうえでインソールが必要なら、一人ひとりに合ったものを考える。
場合によっては、インソール以外の方法が必要なこともあります。
大切なのは、
“ヒトそのものを見る”
ということ。
そして、その人がいつまでも自分の足で立ち、歩き、動き続けられるように、あし元から支えていく。
それが、義肢装具士として僕が大切にしている身体の見方です。

