2026/09/02 20:55

「昔から、よく足をぐねる」

「何もないところで足首を捻ることがある」

「一度捻挫してから、なんとなく足元が不安定」

そんな経験はありませんか?

足首を捻ると、どうしても気になるのは「足首」です。

もちろん、痛みや腫れなどがある場合には、まず適切な診断や治療を受けることが大切です。


でも、

「なぜ、この人は足をぐねりやすいんだろう?」

と考えると、僕は足首だけではなく、もう少し広く身体を診ていきます。


身体は「骨の積み木」

僕は身体の基本構造を説明するとき、よく

「骨の積み木」

という表現を使います。


人間の身体にはたくさんの骨があります。

その骨と骨の接続として関節があり、筋肉や靭帯などが引き寄せあいながら、身体を支え、形作っています。


そして僕たちは、その身体で、


立つ。
歩く。
動く。


ただ骨が積み重なっているだけではありません。

筋肉や靭帯などが関わり、関節が動き、重心を移動させながら生活しています。


だから、

「骨だけ整えればいい」

「筋肉だけ鍛えればいい」

「足首だけ支えればいい」

というように、一つの部分だけで身体を捉えるのは難しいと考えています。


足をぐねったから「足首だけ診る」では足りない

これは、足ぐねりについて考えるときも同じです。

足首を捻った。

だから、足首だけを見る。

僕はそこで終わらないようにしています。


例えば、

・足の形や状態はどうなのか?

・関節の状態はどうなのか?

・基本姿勢はどうなのか?

・立ったときの重心バランスはどうなのか?

・歩くときに身体をどう使っているのか?

・そして、どんな靴を履いているのか?

・日々の身体のコンディションはどうなのか?

いろいろな要素を診ながら、

「なぜ、この人は足をぐねりやすいんだろう?」

を考えていきます。


足だけではなく、身体の上の方もつながっている

足は地面と接している場所です。

その上には足首があり、膝があり、股関節があり、骨盤があり、さらに上半身が続いています。

そして僕たちは、その身体全体を使って立ったり歩いたりしています。


だから、どこか一つだけを切り離して考えるのではなく、

「身体全体として、どう立って、どう歩いているのか?」

という視点が大切になります。


僕がよくお話しする、

「卵が先か、鶏が先か」

という考え方もここにつながります。


足の状態が変わったことで、歩き方が変わっているのか。

歩き方や身体の使い方によって、足への負担が変わっているのか。

あるいは、その両方なのか。

身体はそんなに単純に分けられるものではありません。

いろいろな要素がグラデーションのようにつながっています。


だからインソールも「足首だけ」を考えて作らない

僕が「足ぐねり用」のインソールを考えるときも、

「足首を捻るから、とにかくガッチリ支えよう」

とは考えていません。

昨日の記事でも書きましたが、僕がインソールを作るときに大切にしているのは、

必要なところは、必要なだけ支えること。

そして、

自分自身の身体にも働いてもらうこと。

です。
※ただし、治療はキチンと医師の指示に従うことが大原則!


身体には筋肉や靭帯などがあり、本来自分自身で身体を支える仕組みがあります。

インソールが、その働きを全部肩代わりすることはできません。

だからこそ、

どこに支持が必要なのか?

どこから身体自身に働いてもらうのか?

そのバランスを考えます。

支え過ぎは、とても楽だが身体がサボり、余計に弱くする事も⁉


「足ぐねり用」も一つの選択肢

僕が作っているセレクトインソールには「足ぐねり用」があります。

ただし、

「足をぐねる人=全員これ」

という考え方ではありません。

身体には個人差があります。

偏平足の傾向がある人もいれば、外側に体重がかかりやすい人もいます。

その両方の特徴を持っている人もいます。

そもそも、靴のサイズや履き方が合っていないこともあります。

だから、症状の名前だけでインソールを選ぶのではなく、

その人の身体で何が起きているのか?

を考えることが大切です。

そのうえで、必要な人にとって「足ぐねり用インソール」が一つの選択肢になればと考えています。


インソールは「身体の再教育ツール」

僕にとってインソールは、単に身体を支えるだけの道具ではありません。

必要な部分をサポートしながら、自分自身の身体にも働いてもらう。

そして、

ケアをする。

身体を動かす。

必要に応じてトレーニングする。

立つ。

歩く。

動く。

そうやって時間をかけながら、身体の使われ方を整えていく。

だから僕はインソールを、

身体の「再教育ツール」

として考えています。

足をぐねったから、足首だけ。

膝が痛いから、膝だけ。

姿勢が悪いから、姿勢だけ。

ではなく、

身体は全部つながっている。

その人自身の身体を診ながら、必要な方法を一緒に考えていく。

それが、義肢装具士として僕が大切にしている考え方です。


あしから先生より

秋になり、旅行や行楽、スポーツなど、外を歩いたり身体を動かしたりする機会も増えてきます。

もし、

「昔からよく足をぐねる」

「何度も同じように足首を捻っている」

「歩いていると足元がなんとなく不安定」

ということがあれば、

「どこで捻った?」だけではなく、
「なぜ、ぐねりやすいんだろう?」

という視点でも、一度自分の足や身体を見てみてください。

足だけではなく、

身体全体として診てみる。

そこから見えてくることもあります👣