2022/06/24 20:40

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前回までに「靴の踵」「シャンク」についてお話してきました。
靴の踵は、踵骨の安定性を上げ、足部のアライメントを崩れにくくすることに関わり、
シャンクは、靴の剛性を上げ、アーチの崩れを少なくし、重心移動がスムーズになり歩行が効率化し、疲労や負担が少なくなります。

これらの機能をしっかり使おうと思ったら、足部を靴の中でいい位置に収めていないと、意味が無くなってしまいます。
この足部をいい位置に収めるのに重要なのが、「ボリューム調整機構」です。

この「ボリューム調整機構」は、アッパー部分の靴ひもやマジックテープと、靴の中敷きであるインソールになります。

「インソールを作るために靴を選んでいるんだから、靴の中に最初からインソールなくていいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、
このもともと入っているインソールが重要で、このインソールを抜いて新しいインソールを入れないと、
靴の中のボリュームの帳尻が合いにくくなってしまうため、必ず、インソール入りの靴を選んでもらうようにしています。
このように、インソール入りの靴を選んでもらっていても、アーチや楔などを入れると窮屈になりやすく、厚みを微調整することがあります。

また、新しいインソールを入れた時の窮屈さの調整に重要なのが、アッパー部分の調整機構で、できれば靴ひものタイプをお願いしています。
これは、マジックテープのタイプより、固定力があり、部分部分で調整がしやすいという特徴があるからです。
どういうことかというと、スニーカータイプの靴の場合、足趾の付け根のあたりから、靴ひもでボリュームの調整が穴ごとにできるからです。
そのため、靴ひもの穴が、どこから空いているかが重要になってきます。
例えば、フォーマルな革靴の場合、靴ひもの穴は足首のあたりに2~3対くらいで、調整機能は限定的です。
ワークブーツの場合、つま先に芯材がしっかり入っているのと、ゴミなど余計なものが靴の中に入ってこない様にするため、
足部の真ん中のあたりから靴ひもの穴が開いていることが多いと思います。
逆に、登山靴では、足趾の上の方から締めこめる靴もあります。
これは、登山靴は不整地を歩くために作られているために靴底が硬く、MP関節(足趾の付け根の関節)で曲がらない靴のために、
このような調整機構が可能になり、登りと下りで靴ひもの締め具合を調整する必要があるため、このような状態になっています。

今回は、普段の生活で使用することを目的としていますので、足趾の付け根あたりから調整できるようになっているといいです。
これは、インソールを入れた場合、足部の中足部のアーチを支えたり、この部分に楔をつけたりすることが多く、
この部分のボリュームを調整したいからです。
また、足首付近の穴は自分の足の状態に応じて、靴ひもを通したり、通さなかったり、真ん中に調整したりすることによって、
足関節を背屈したときに食い込まない状態にしておくことが重要です。
更に、内果にも干渉しない様にし、踵から45度の位置で靴ひもが結べることが、理想的です。
このような状態になっておくと、靴の踵に踵骨がすっぽり収まり、靴が脱げにくく、靴が足にフィットしやすくなります。

いかがだったでしょうか?
靴選びって、靴って奥が深いでしょ?

この他にも、靴底の広さとか踵の高さ、MP関節との位置関係、靴先の反り・転がり、ソールの形状などなど、
好みや靴の機能、使用目的・頻度・場面、様々な条件によって、必要な靴の選び方は変わってきます。

ただ、この一週間ほどでお話させていただいた「インソール作りに重要な靴の選び方」についてのシリーズは、
日常生活で履かれる靴に関して、押さえておいてほしいことですので、少しだけでも頭の片隅に残しておいてもらえると嬉しいです。

まとめ


それでは本日はここまで。
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